岐阜ホールに行ってきました。

岐阜ホールに行ってきた。

「岐阜を全国に発信するアンテナショップ」。アンテナショップというと自治体などが手掛けるものが多いけれど、これはリトルクリエイティブセンターという、広告やウェブ、本の出版などさまざまなことを手掛ける岐阜のデザイン会社さんがが運営する店。

実は、よくわからないながらクラウドファンディングにも参加した。リターンは、お店に掲げられる船のイラストの中に自分の似顔絵を描いてもらえる、というもの。
写真を送って描いてもらうのだが、私のこんな顔が広まるのもな、と思い、イラストはお任せでお願いすることにした。
お店のオープンの日、ウェブでもイラストが公開された。Twitterには、自分の絵を見つけた人の投稿があふれた。知り合いが描かれているのも見つけた。しかし私は、自分がどこにいるのかわからなかった。
お任せなのだから当然である。
しかし実際にその事態に直面すると、勝手ながら寂しくなってしまった。

どこにいるかわからないけれど一応は乗組員の一人である。ということで、オープンから1週間と少し後、お店へ。
最寄駅は上野駅と鶯谷駅だが、なんとなく少し近そうなので鶯谷駅から行くことにした。

実はオープン前、建物の外観を盗撮に行ったことがあった。
その時も鶯谷駅から行ったのだが、出口を間違えたために随分遠回りになった上、暗くなってから墓地の横を延々歩くことになった。今回は気をつけて出た。

するとそこもやはり夜に女一人で通るのは少し躊躇したくなる通りだった。昼間でも写真を撮るのは憚られた。そういえば鶯谷はそういう場所だと聞いたことがあった。
しかしそこを通り抜けると、階段を上がって少し大きい通りに出て、あとは岐阜ホールまでもう少し。駅から10分少々、これくらいならそれほど苦はなく歩けそうだ。

岐阜ホールの前に着く。1階は建築事務所らしいが、日曜だからか閉まっている。2階へ続く階段の前に看板が出ている。

向かいは東京藝大付属高校。藝大やこの高校の学生を除けば、ふらっと通りがかってお店に入る人はあまりいなさそうだ。
勇気を出して階段を上がってお店へ。

木をベースにした明るい店内。席に着く。いすとテーブルも手づくりのようでかわいい。

カウンターで注文。

コーヒーは岐阜県各務原市の喫茶室山脈さんのもの。私の頼んだジンジャーレモンは柳ケ瀬の蒸しパンなどのお店、ティダティダさんのものだ。ティダティダさんの蒸しパンも頼んだ。味はチョココア。柳ケ瀬のお店のものよりも小さいサイズだ。
飲み物には「大地のおやつ」のおいものかりんとうをおつまみにつけてくださった。喫茶店のコーヒーにはおつまみがついてくる、というのは岐阜の喫茶店文化の中でも代表的な要素だ。

お店には岐阜のものがいろいろ売っている。この日はティダティダさんのかき氷もあった。

本のコーナーも。
店内には、お店のスタッフの方のお母様らしき人が来ていたり。お店のスタッフの方と話し込む人もいたり。

ぼーっとしていると他のスタッフの方が席に来て「オープン記念で差し上げているんです」と冊子「ぎふのモノ」を袋に入れて差し出してくださった。

「どうやってここを知ったんですか」と聞かれ、「あの絵の中にいるはずなんですがどれかわからないんです」と言ってみる。「ちょうど、あの絵を描いたデザイナーがいるので聞けますよ」と言ってくださったのだが、聞こうにも手掛かりがゼロである。スタッフの方を困らせてしまって申し訳なかった。

せっかくなので買い物をして帰ることに。何年も前からお気に入りの、アラスカ文具さんの岐阜の学習シールをリピート買い、姪っ子へのお土産に。そして、大地のおやつシリーズでまだ食べたことのなかったともだちビスケット。レジには、以前トークイベントで拝見したことのある今尾社長さんが自ら入っていらっしゃった。

これまで東京には岐阜県のアンテナショップがなかった。随分昔には六本木にあったらしいが、県の財政が厳しくなったころに廃止になった。
実は以前、仕事でいくつものアンテナショップを取材していた。数年前に調べたとき、47都道府県で首都圏にアンテナショップがないのは佐賀県と岐阜県くらいだったと記憶している。あちこちの取材で、アンテナショップにその県の出身者が集まっているという話を聞き、岐阜県出身者は集まる場所もないのだと、寂しかった。
私自身、首都圏の岐阜県出身者とのつながりも今までほぼなかった。市役所から出向で来ている人たちがいるのは知っていたけれど、その人たちの集まりに呼ばれることもなかった。呼びたくなるような、そこにカウントされるような人物ではなかったのだ。

また、岐阜の匂いをかぎに行くと思う。
岐阜の人と話ができたらいいなと思う。
8月中は夕方までしか営業していないようだけれど、夜の営業が始まったら会社の帰りに寄りたい。そういう場所であってほしい。

イベントもこれからもっと行われるみたいだ。岐阜の人がとりあえず集まれるようなイベントがあったら、行きたいなと思う。あとは、今尾社長さんに岐阜ホールのことを根掘り葉掘り聞くイベントとか。岐阜出身の人をゲストに招いたり。岐阜ホールで開くイベントを勝手に企画するイベントとか。

でも、そういうの全然なくても、また行くと思う。怪しげなエリアを越えて。

帰りは寄るところがあったので、上野公園を通って上野駅へ。日比谷線の駅まで徒歩25分はかかる。が、眺めは良いです。