鵜飼は、日常の隣に。


個人的今年初鵜飼。長良川プロムナードへ、総がらみの少し前に滑り込む。
毎日のように通っていたときに見つけたベストポジションへ一直線。
に向かいながらよく見ると、プロムナードに人が多い!こんなに人が多いのは見たことがない、と思うくらい、今年新しくなった木の座れるところ(ベンチの役割だけれどベンチの形ではない)に、団体と団体の間のちょっとした隙間を除いて、ずらりと。
旅行客で、観覧船に乗らないけれど見に来たっぽい人もいる。でも地元の人のほうが圧倒的に多い。もちろん天気も気候もよかったけれど、それでもこんなに人がいるところは見たことがない。ベンチ的木が新しくなって、座りやすくなったからだろうか。驚いた。
今年鵜匠代表となった杉山雅彦さんのお家の大八車も、いつもの場所にあるけれど、その前にも横にも人がいっぱいなのが、いつもと違う。

急いでベストポジションへと階段を降りると、いつものおじちゃんが、初めて鵜飼を撮りに来た人に何か教えていた。変わらない。闇で他の人には見えないのをいいことに、にやりと笑ってしまう。
最後の一艘が狩り下りを終えて川を上り、そろそろ定位置へ着こうとするところ。うん、ちゃんと、篝火が六つある。その貴さをしみじみ感じる。

総がらみが始まる。ここと狙ったタイミングでシャッターを切り始める。今日、一番手前にいるのは秀二さんだ。レンズ越しに見ながら、全身で篝火の熱を感じる。それだけは、どうしても遠くにいてはできない。

手をいっぱいに伸ばして、鵜が少しでも遠くまで泳いで鮎を取りに行けるように。

通り過ぎると、ファインダーから目を離して本物を眺める。6艘は、今まで見たことがないほどゆっくり、時間をかけて総がらみで鮎を追い込んでいった。土曜日でいつもより多い観覧船の前もゆっくり通った。これはお客さんにじっくり見てもらおうとしているのか、それとも川の流れがゆっくりなのか。両方かなあ。

総がらみが終わってあがりに入っても、その様子を対岸から見つめて動かない人がたくさんいた。
以前はこの時間になるとどうやっても対岸からは写真が撮れないので、早々と帰ることが多かったけれど、ここまでのんびり見るのもありだなあ。さらにゆっくりしていたら、あがりを終えた鵜舟がここまで帰ってくるのも間近で見られる。
今回はその前に引き上げた。

やっぱり、鵜飼は毎日違う。だから面白い。見れば見るほど、知れば知るほど、面白い。

帰って写真をチェックしてみると、やっぱり、あまりいいものがなかった。一度はこつをつかんだと思ったけれど、少し行かなくなるとすぐに鈍ってしまうのだなあ。深い。
でも近年、デジカメの機能が発達して、良い機材と腕を持つ人はフラッシュを使わなくなった。ポスターなどに使われる鵜飼の写真も、フラッシュなしで、ちゃんと篝火のオレンジが出ている写真が増えた。それはやっぱり、嬉しい。

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