「おとなの夜学 ー鮎とたまりと発酵トークー 岐阜の発酵をデザインする」。

東京のスペシャリストの力で、岐阜がどんどんおもしろいものに見えてきた。
おとなの夜学 ー鮎とたまりと発酵トークー 岐阜の発酵をデザインする」@ぎふメディアコスモスに行ってきた。
岐阜にいる間に何かやっていたら行ってみようと思っていたら、長良川デパートのFacebookで流れてきたのを見つけた。小倉ヒラクさんの名前に目を疑った。greenzかソトコトか何かで複数回見かけたことがある気がする。まさか岐阜でお会いできるとは。しかも、無料である。
定員30人とのことだったが、座席はかなりいっぱい。20代、30代のお仕事帰りっぽい人から60代、70代っぽい人まで。市役所関係っぽい人から、発酵関係が好きらしい女子、まちづくり関係や市民活動団体っぽい人、幅広く学ぶのが好きそうな50~70代の女子、定年退職後にさまざまな講座を楽しんでいる風の60~70代男子まで、わりとさまざま。質問コーナーでは愛知から来たという人もいた。一人で行ったけれど、知り合いもいなかったけれど、なんだか、入りにくい感じはしない。隣の人としゃべりはしないけれど、何かあったらしゃべれそうな雰囲気。(図書館の方も、一人顔を覚えていてくださったけれど、それくらい。)
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小倉ヒラクさんはこの講座のコーディネーター?でもあるNPO法人ORGANの蒲さんとこの日、山川醸造さんと川原町泉屋さんをまわってこられたそうだ。でも、その感想や、質問したいことは、あえてこの講座のときまで言わずに取っておいたそうだ。
それがどれほど効果的なことか、会が進むにつれてよく分かった。ヒラクさんと、山川さんや泉さんとの会話は、ガチだ。アドリブのセッションだ。ヒラクさんはガチでつっこむ。山川さんは分からないことは分からないと答える。泉さんは事前にスライドを用意しているが、ヒラクさんはそのままはしゃべらせない。次々つっこむし、自分の知っていることも付け加えていく。細かい話もあったけれど、細かいからこそ面白いし、他では聞けない話になっていた。例えば、こうじと塩水を何対何で混ぜるのかとか、味の素の模倣品とか。
「しょう油は多様性が少ないが、九州や東海地方は例外」という話もあった。「岐阜はうまみの首都」という話も出た。最近では「ガストロノミーツーリズム」に注目したらどうかという話が出ているが、そんな風に地域独特の食にぐっと絞り込んで焦点を当てられれば面白いのだろうと思った。「ストーリー」という話もあった。確かに、単においしいものを食べる旅では満足度が高くないのかもしれない。申し込む時はおいしそうなものが目当てでも、行ってみたらいろいろ話も聞けたり、体験もできたり、奥深いものにすることで満足度が上がって、リピーターになったり、評判が広がったり。
岐阜で岐阜の外の人に岐阜のことについてきちんとつっこんでもらうという機会はかなり少ないようにも感じる。ヒラクさんは今日1日かけて岐阜の発酵の現場を見てそしてつっこんでくれた。しかもヒラクさんは単に岐阜の外の人というだけではなく面白い人だった。自分の興味をもとにつっこんでいても聞いていて面白いし、楽しそうに他の地域と比較したり、自分の知っている関連知識を話したりする。そういう話から岐阜は発酵といっても「うまみ」を大切にする文化があるのではないかということがだんだん見えてくる。岐阜の人が岐阜のことを知って、いいところだなと思うには、こんな話はとても効果的なのだろうとよくわかった。
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最後に、試食も。なれずしをペーストにしたクリームはくせが少なく感じておいしかった。個人的に匂いの強いチーズが苦手なのだが、そんな匂いがしない。魚醤のさかなくさい感じも私はすごく好きだ。
「おとなの夜学」シリーズ、毎回東京から人を呼ぶ予算はないかもしれないけれど、またこんな回があったらいいだろうなと思う。仕事の後に行けるこんな場所、岐阜で以前はもっと少なかったと思うけれど、今はメディアコスモスにあり、美殿町近辺でもあったり。東京だとうじゃうじゃあるけれど、どれにいっていいんだかわからなくて結局行けないことも多い。今日は入りやすい雰囲気に安心した。
写真を撮っていたら蒲さんに「もっと前に出て撮って!」と言われたので、多分撮影も掲載もOKなのだと思う。

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