何が起きたのか、書いてみることにした。
ほとんど備忘録のような、メモのような。
もちろん、もっと当事者的状況の人、辛い思いをしている人はたくさんいる。
でも、今まで私の周りに、現在進行形の新型コロナウイルス感染者はいなかった。似た状況の人もいるのではないかと思う。個人的な経験でしかないが、もしかして誰かの参考になれば嬉しい。長文注意。
1月18日、保育園から電話。息子が発熱したと。夫が迎えに行って小児科に連れて行ってくれる。新しい風邪をもらってきたのだろう、と言われたとのこと。
19、20日、息子は保育園休み。入社したばかりで申し訳ないが、在宅勤務にしてもらう。息子をみていると仕事できない時間もあり、さらに申し訳なくなる。熱は20日には下がる。
21日、息子は保育園へ。私は出勤。喉が少しおかしくて、息子の風邪をもらったなと憂鬱に。ずっとばたばたしていて心が落ち着く暇もなかったので、昼は一人で外に食べに行く。夕方、息子を保育園に迎えに行くと「今日は体調が良さそう」と先生に言われる。栄養のありそうなものを買い出しに行く暇もないので、悪化を防ぐ方法が寝るくらいしか思い付かず、9時台に寝る。
22日、小児科へ。まだ治りきっていないと言われる。しかし帰り道、息子は散歩に行きたがる。お弁当屋さんのイートインでお昼ご飯に。家の近くまで来て息子はまた公園に入る。3時を過ぎてだんだん冷えてきて、また風邪をひどくしそうで、そして私の風邪らしき症状も悪化しそうで、精神的に耐えられなくなってきて、泣く息子を遊具から引き剥がして担いで帰る。この日、私の喉はほぼ大丈夫な感じになっていたが、鼻水が出ていた。また9時台に寝る。
23日、息子は終日家で過ごす。私は買い出しに。2階までの階段がしんどく、やっぱり体調が悪い気がする、と思う。鼻水が黄色い。この日も10時台には寝る。
24日、出勤すると、いつも私より早く出勤している隣の席の先輩がまだいなかった。定時が迫り、社長が心配し始めたその時、電話。熱があるとのことだった。会社から先輩とオンラインでつないで、仕事の引き継ぎをする。社長から、先輩の診断がどうであれ、世の中がこういう状況だから明日から今週いっぱいは全員在宅勤務で、という指示がある。
定時を過ぎるころ、チャットで先輩から、オミクロンだった、という知らせが入る。
夫が保育園に迎えに行く日だったので、しばらく会社で先輩の心配と、仕事の心配を話し合う。21〜22日に、マスクなしで一緒に飲食した人が濃厚接触者になると聞かされた。私は普段、先輩と、会社の同じテーブルで昼食を取ることもある。21日、たまたま外に食べに行っていた自分に感謝した。そんなこんなで、入社以来最も遅い時間に会社を出る。
帰り道、スマホで色々調べる。私自身は、一度も熱は出ていない。でも鼻水は出る。喉の症状もゼロではなかった。おそらく、息子の風邪をもらったのだろうと思いつつも、心配になってきた。無料のPCR検査場が隣の駅にあることは知っていたが、調べると無料で受けられるのは無症状の人だという。鼻水のある私は病院を受診して検査を受けることになるようだと思い、市のホームページで、家の近くでPCR検査の受けられる病院を探すと、いくつか見つかる。
25日、朝、近くの病院に電話してみるがつながらない。仕事の定時にオンラインで朝礼。仕事を途中で抜けて病院を受診したい旨を社長に伝え、了承を得る。「昨日も咳してたから気になってたんだよ」とのこと。
その後もう一度病院に電話。何度目かでつながり、事情を説明すると「検査を受けたいということですね。ごめんなさい、今日の枠は埋まってしまったんですよ」と。その日の検査枠というのがあるのか。知らなかった。市のホームページのリストを見て、他の病院にかけていっても「今日の分は終わってしまった」とのこと。だめもとで、家からも駅からも遠い病院にかけてみると「ちょっと時間調整してかけ直しますね」と。ありがたい。しばらく待っているとコールバックが。「症状が軽いので、一般のPCR検査のところを受けるということでいいと思います」。なるほど、これくらいでは症状があるうちに入らないのか。
昨日調べた、無料のPCR検査場を再度よく調べる。予約できるところは翌々日まで空いていない。家の近くの予約なしのところへ行ってみることにする。抗原検査キットを買って自宅で受けるという方法もありそうだったが、県のホームページで販売場所を調べ、家の近くの薬局に電話してみると「売り切れていて、いつ入荷するか分かりません〜」とのことだった。
昼ごろ、仕事を一度抜け、県のホームページに無料検査を行っていると書いてあった隣の駅の薬局へ自転車で。しかし、検査をしている様子がない。うろうろしていて「当店では検査を行っていません」という張り紙を見つける。さらに一つ先の駅の、別の検査場へ行くことに。
行ってみると「整理券の配布は終了しました」と書かれた紙が貼ってある。建物の前に立っていたお姉さんが「もう終わってしまって整理券がないと受けられないんです」と。帰りかけて、戻って、お姉さんに「何時くらいまでにこれば受けられるんですか」と聞く。「9時10分くらい前に来てもらえれば…。今日も10時前には整理券がなくなったんです」とお姉さん。
自転車で帰りながら、混乱した頭を整理する。もはや、明日以降に出直すしかない。また仕事を抜けさせてほしいと言い出すのは憂鬱だった。なかなか検査を受けるタイミングがなくて、そのまま日常を過ごすしかなく、その間に周りに感染させてしまう人がいるだろうことが容易に想像できる。
家に帰る。会社の人に伝えづらい……と思っていたら、別の予約可能なPCR検査場のホームページで、たまたま翌日の抗原定性検査の空きを見つけた。すぐに予約してから、会社の人にチャットで報告する。「何度も検査に行くうちに感染しそう」と社長に言われる。確かにそうだ。ただ、放っておいて家族にうつしてしまうのが怖い。小さい子どもがいる中で、感染したと決まらないうちから、距離を遠ざけたりマスクをしたり、というのはかなり辛い。
26日、この日も在宅勤務。昼前に自転車で検査場へ。入り口の前で、大学生っぽいスタッフの人から用紙を渡されて記入。次にスマホでQRコードを読み取ってGoogleフォームの誓約書に記入、送信。これは事前に記入しておくこともできたようだが、見落としていた。そこまでやると中へ案内される。よくわからないながら、受付らしきところに少し並ぶ。順番が来ると、スタッフの人がキットを渡しながらやり方を説明してくれる。その後、壁際に並んだブースで、自分で作業する。ブースは机が仕切られた、選挙の投票所の記載台のような感じのものだ。壁に検査のやり方が貼ってある。しかしよく見ると、今説明されたやり方の最後の方は手書きで簡単に付け加えられている。やり方を見つつ、さっき聞いた説明を思い出しながらやってみる。出来上がった検体をかごに入れて終了。
自転車で帰る。もし陽性だったらもう買い物に出られないと思い、コンビニに寄って帰る。
家に着いて携帯を見たがまだ結果は来ていない。改めて確認すると検査終了後大体15分で結果が出るという。それにしては遅い。混んでいるのだろうか、と思いながら仕事を再開。
しばらくして知らない携帯番号から着信がある。出ると検査場の方だった。「結果が出ないんです。おそらく検体の不備か何かで……」にわかには理解できず、何度か聞き直す。キットに陽性とも陰性とも出ていないということらしい。当日中なら予約なしで受け直せる、翌日以降なら再度予約が必要、とのことだった。せめて今日のうちには結果を知りたい。それ以上もやもやが続くのは精神的に耐えられない。定時後でも間に合いそうなので、息子の迎えを夫に頼み、その日のうちに再度受けに行くことに。会社にもチャットで報告する。
定時後、再び自転車で検査場へ。今度は用紙を書かずに中に通してもらう。受付のお姉さんがやり方をもう一度丁寧に教えてくださる。どうも説明書きの手書き部分、最後に検査キットに検体を垂らすところで、垂らす量が足りなかったようだった。「終わったらここに持ってきてくださいね」とお姉さん。かごに入れる前にチェックしてくれるようだ。受け取ってブースでやってみる。確かに、さっきと違って検査キットに液体が染み込んでいくのが見える。お姉さんのところに持っていくと、一瞥して「はい、大丈夫です」と笑顔。もしかしてこの時点でもう結果が分かるのだろうか、と思ったが、お姉さんの表情からは読めない。
また自転車で家へ。着いて携帯を見ると、「検査完了のお知らせ」というメールが来ていた。とうとう。緊張しながらメールを開け、マイページにアクセス。スクロールして該当箇所を探す。陰性と書かれていた。
何度か見直した。
結果通知書のPDFもダウンロードして見た。
それから会社にチャットで報告。
27、28日は平穏に在宅勤務。いつもより早い時間にお迎えに行けるのでありがたい。
そして29日。朝起きると息子が嘔吐。病院に連れて行くと、おなかのかぜとのことだった。
検査の精度は100%ではない。絶対違うとは言い切れないところが少し怖い。でも少し経つと、そればかり考えてはいられなくなって、とりあえず陰性ということで目の前のことに対処していった。マスクとか手洗いとか、以前からやっている感染予防は引き続き。
日々は続いていく。今はコロナよりも息子の胃腸風邪の方が身に迫っている。小児科の先生にも「お母さんもうつらないように気をつけて」と言われたくらいだ。昨日から数え切れないほど手を洗って、気付いたら手は荒れ放題で真っ赤になってしまった。