石暮探偵事務所File5「アラミドの雫」File6「リベリカ・チェリー」@CINEX。

確かに、クリエイティブで岐阜を元気にする、一つの確かなかたち。
File5の美しい映像が強く印象に残った。今はもう一般の人は入れない岐阜総合庁舎。入れなくなってしまったけれど、岐阜の人の記憶の中に残っている建物。表から裏から、いろいろな建物として登場させて、目一杯使って美しい映像をつくりだしていた。庁舎の横が空き地なのも、その時期ならではのことだ。大事な記憶が、スクリーンの中に残っていた。
柳ケ瀬もかっこよかった。暗い細い路地、シャッターの下りた店、マイナスにしか見えなさそうなところも、映画の舞台にはとても似つかわしい。走り回るには、広さも、隠れ場所もちょうどいい。アーケードが一部空いているのもその時期だけのこと。
劇場ではコーヒーサービスをしてくださった。映画が始まると、スクリーンの中でも登場人物たちも同じいしぐれ珈琲のコーヒーを飲んでいる。不思議な感覚を覚えた。
主人公の探偵ジャイブはイケメンでかっこよすぎた。ポッカは、多分お話ししたことのある方だと思うのだけどな。
目指しているところが高いのがわかる。映画が好きで、あの監督のあの映画と言うとわかる人たちが、目指すところを共有してつくっている感じ。もちろん最後は監督がつくるのだろうけれど。美しくて、かっこよくて…そこには破綻のない一つの世界があった。本田プロデューサーが、万照先生にメインテーマをつくっていただいたと、とても喜んでいらっしゃったのがよくわかった。それはあの世界をより具現化する、より完璧にかたちづくるかっこよさだったから。今となっては、あれなしでは、作品が一段違うものになってしまうくらい、大切なものになっている。
私は映画は詳しくないのだけれど、あの雰囲気を伝えるために名前をあげるなら。
見ていて思い出したのは「私立探偵 濱マイク」。大学のときに見ていたドラマシリーズは、私にとって今も人生でベスト3に入るドラマだ。クリエイティブの楽しさを教えてくれた。そしてスペンサー・シリーズとレイモンド・チャンドラーと原尞を繰り返し読んできた私には好みのジャンルだったのかもしれない。
それでも、ジャイブさんは舞台挨拶で、エンタメ、といいきった。アートを、完璧な境地をめざすのではなく、人を楽しませようとしているところに、新鮮な驚きをおぼえた。
ジャイブさんはまた、誰でもできる、と言っていた。柳ケ瀬商店街の皆様も出ている。演技がうまくない人もいる。でもそれも含めてこの作品だ。そういった場面はかなり計算して配置されているようで、観客が白けるような場面には置かれていない。万照先生の場面も、演技は初めてだとおっしゃっていたけど。これだけ完璧に作りこまれた世界だから、作り込みのきかないまちの皆さんの演技が少し違うリズムを生み出して、より面白い作品になっているような気がする。
もっとたくさんの人にみてほしい!
どうするといいのだろうか。
岐阜市のシティプロモーション映像を石暮探偵事務所にお願いできないものだろうか。
とりあえずはできるだけ魅力を伝えてみよう。
http://youtu.be/NzusTQQUZS0
https://m.facebook.com/profile.php?id=113377025479132&_rdr

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