主役は本物。三内丸山遺跡。


本物ばかりだった。

青森県青森市、駅からバスで。縄文時代の、復元された遺跡を見た後に展示室へ。
多くの博物館の展示は復元、レプリカやパネルなどが多くを占める。ここもそういう感じなのだろうと思っていた。「さんまるミュージアム」という子ども向けのような名前、撮影可能、そして入口にいたのも子どもの人形だったから。しかし最初の展示物はいきなり重要文化財だった。これが撮影OKなのか。度肝を抜かれた。

その先を進んでいっても、水晶の石鏃、石の削器、石の石鏃、釣り針、とその部屋は最後の土器に至るまでほとんどが重要文化財。つまりは本物。本物には力がある。どんなにわかりやすくても、精巧でも、レプリカとは違う。それがこんなに惜しみなく展示されているとは。

次の部屋からはもう少し子どもにもわかりやすく、人形が当時の暮らしをしている様子の展示もあった。しかしその前にまた石鏃や釣り針やアクセサリーや土偶や、本物が展示されている。主役は紛れもなく遺物たちなのだ。


土偶。

土器だけでもものすごい数だ。他の遺跡の展示ならメインになってもおかしくないような、接合して復元された大きめの土器がずらずら並び、時代別に分けてある。

毎日一生懸命生きていたんだろうな、と思った。いろいろな余計なことを考える前に、日々生きることに向き合っている。
縄文ブーム、ってよくわからなかったけれど、膨大な本物を見ていたら、その魅力にはまるのがちょっとわかる気がした。

茅葺きの竪穴住居。


柱の跡とか、復元とか、以前文化財を担当していたおかげで興味がわくようになった。復元だけでなく、ところどころ地層や柱の跡を覆うような建物をつくって、遺構を埋め戻さずにそのまま残している。これも、本物。乾かないよう、室内は湿度を高く保っているそうだ。

大型掘立柱建物跡の柱穴。

微かに思い出して検索したら、2015年にレキシさんがここでライブをしていたことがわかった。どんなに盛り上がっただろう。その場に立って音源を聞いたら、その空気が少し想像できた。

三内丸山遺跡
青森県青森市大字三内字丸山305
バスで青森駅から約30分、新青森駅から約15分

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