人生にも、社会にも気付く。オンライン飲み会に参加してみた。

このブログと個人Facebookに「オンライン飲み会やってみたい」と書いたら、友達が誘ってくれた。

大学のサークルの同級生の子だ。たまたまその翌日に、サークルの同級生女子数人でオンライン飲み会をする予定をしていて、そこに誘ってくれたのだ。

ぜひ!と言ったものの、参加メンバーはこの数年全然会っていない子ばかり。卒業以来会っていない子もいる。SNSで全然つながっていない子もいる。びびりの私は開催時間が迫る中、緊張していた。

使ったアプリはZoom。初めて使う機会を得た。ありがたい。有料アカウントを持っている子がホストになってくれるらしく、時間制限もないようだ。
箱が山積みの場所を背景にするしかなかったので、どうにか背景をバーチャル壁紙にできないかと調べたところ、利用者登録をすればできるという。しかしミーティングに参加する前に壁紙を変える方法が分からない。どうしても最初は後ろが写ってしまうが、もう仕方ない、と開き直った。
そして一応、久しぶりにちゃんと化粧をした。

待ち合わせの18時過ぎに、どきどきしながら入室すると、すでに参加していた友達が声をかけてくれた。あれ、緊張していたはずなのに、普通に喋れている。
徐々に人が増え、8人になった。私はiPhoneから接続していたが、それだと一画面に4人しか映らない。iPadなら一画面に6人らしい。次やるならPCを使いたい、と思う。
背景は、やってみると山積みの箱の上の壁しか映らなかった。助かった。

みんなの近況をほとんど知らない。どこに住んでいるか聞くと、一人を除いて大阪など関西だった。あちこち引っ越している子も複数いて、他のメンバーも全員の近況を把握しているわけではなさそうだ。

結婚しているのかどうか、子どもがいるのかどうかもよく知らない。これは聞きづらかったが、話しているうちに何となくわかってきた。

その後それぞれ夕飯をつくったり、授乳したり、子どもをお風呂に入れたりして出たり入ったり。そんな時は自分のカメラとマイクをオフにして他のメンバーの会話を聞いてみた。サークルのメンバー同士で結婚した家からは、途中から旦那さんも参加。飲みすぎて寝落ちしたらしく、途中で画面から消えた子もいた。さらに、オーストラリアに住んでいる同級生をちょっとだけ呼び出してみる。

緩い雰囲気のまま延々と続き、無限に喋れそうだったけれど24時でお開きにすることにした。

それぞれの道。

「全然変わってないね」とお互いに言い合った。本当に、とてもとても久しぶりに顔を合わせたのに。
仕事のこと、在宅勤務のこと、子どものこと、最近はまっていること、おいしいテイクアウトグルメ、その他取るに足らないことをたくさん。今の話に忙しくて、思い出話はほとんど出なかった。

みんなそれぞれの道を、強く、楽しそうに生きている。
望んで選んだ道も、何故かいつのまにかこっちになったという道も。

自分も、こんな道でもいいのかなあと思った。
一浪して、院卒で就職したので同い年の人の大半より就職が3年以上遅く、結婚も子どもを授かったのも早くはない。同い年の人達よりも何周も遅れて走っているような気がすることもあった。
でも、そうじゃなくて、ただそれぞれ違う道であるだけなのだろうと。

オンラインの価値。

事態が収束した後、リアルに会う価値が見直されるのではないかという人もいる。確かにそうかもしれない。
でも、人と交流するのがほとんどオンラインしか無理な人もいる。

私の場合、もしこれがリアル飲み会だったら、生後2か月の子どもを置いたり連れたりして参加するのはハードルがかなり高いし、さらに関西まで行くのはとても難しい。オンラインならお出かけの準備もいらず自宅から出なくていいし、途中で抜けて自宅で家事や子どものことができる。8人も集まれたのはオンラインだったからだ。6時間もやっていたら、忙しい人も一瞬くらいは参加できるかもしれない。

子どもと家にいてできることが広がる。オンラインで何かすることが、これからも普通に行われるならいいなと思う。

ちなみに見た目に関しても緩い雰囲気で、最終的に複数名が風呂上がりにも参加するほどだった。これはオンラインであることに加えて、学生時代の友達で女子ばかりという関係だからでもあるだろう。
オンライン飲み会は同時に複数の話題を出せない、という記述を目にしたことがあるが、今回は誰もがつがつ喋ろうとしないので、一つの話題が続くことに違和感はなかった。オンライン飲み会は緩い雰囲気と相性がよく、特に人数が多いと緩い雰囲気になりやすいのかもしれない。

オンラインしか無理なのは子育て中の人だけじゃない。
先日読んだ乙武洋匡さんのnote。
44歳を迎えた私から、みなさんへのお願い。

障害のある人、遠くに引っ越して時間的にも経済的にも状況的にもなかなか移動できない人、介護中の人、など、きっと他にも私がまだ想像もついていないような、オンラインじゃないと無理な人がいると思う。オンラインでいろいろやることが普及することで、より多くの人が、他の人とより踏み込んでつながり、可能性が広がっていくかもしれない。

オンラインでつながれる相手。

問題は一緒にオンライン飲み会をする人がいるかどうかだ、と思う。仕事など飲み会以外のオンラインのことを含めても、物理的な環境よりも、その人の周りの人的環境の問題の方が大きい、と、コミュ障気味の私は切実に感じる。私は今回たまたま誘ってもらったけれど。
子育て中の人向けには、オンラインで話せる会が開催されはじめているらしい。
コロナ自粛で”密室育児”続く乳幼児ママの苦悩

自分の住んでいる市の主催するものを調べてみたが、まだ見つからない。オンラインで世界から参加可能だからどんな人が来るかわからない、と思うと、自分の中でちょっとハードルが上がる。地域や年齢などで区切られているだけでも参加しやすいのかもしれない。

やはり、結局、人次第。
家の中で孤立している人を救うとすれば、人とのつながりや気持ちのハードルを越える助けが求められる気がする。

深夜、風呂上がりの姿で子どもを抱えて再登場して「まだ寝えへん〜」なんて言える飲み会は、やっぱり画期的。それを体感することができた。

誘ってくれた友達、受け入れてくれたみんな、ありがとう。
多分サークル内で一番サックスが下手くそだったけど、続けていたあの時の自分が今の自分を救った。

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