サンデービルヂングマーケットの当日スタッフをやってみた


なんだか、たのしい一日だった。

・力仕事といっても女子でも可能な程度
・柳ケ瀬を歩き回るので柳ケ瀬をじっくり見られます
・サンビルのお店でおいしいランチ、お買い物も可能
・打ち上げでは若者とも、柳ケ瀬の方ともお話しできるチャンスが

サンデービルヂングマーケット(サンビル)は、毎月第3日曜日に岐阜市の柳ケ瀬商店街で開催されているマーケットだ。出店は手作りのクラフトや洋服、コーヒーやお菓子、食事など。おしゃれなお店が並ぶ。主催はサンデービルヂング マーケット実行委員会 / 岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会。
20149月に始まり、柳ケ瀬ではそれまでとても少数派だったおしゃれな若者、子どもを連れたおしゃれな両親が、毎月当たり前のように通りをうろうろするようになった。そんな様子を見るのが嬉しくて、開催日に岐阜にいるときは何度も、ふらふらと歩きに行った。

盛り上がる中、201612月に有志の商店主らが出資して「柳ケ瀬を楽しいまちにする株式会社」が設立された。この「有志の商店主ら」というのが、サンビル実行委員会として深くかかわっているメンバーでもあるようだ。
この会社で映画館「ロイヤル劇場」のある柳ケ瀬でも目立つビル「ロイヤルビル」をリノベーション。サンビル出店者を含めサンビルと一続きの雰囲気を持つおしゃれなお店が入ったビル「ロイヤル40(よんまる)」として201710月にオープンさせた。
全面オープンに先駆けて20173月には、渋谷のHOLLYWOOD RANCH MARKETなどで有名な株式会社聖林公司による「BLUE BLUE GIFU」がビル1階にオープン。岐阜あたりのおしゃれな人々を驚かせた(おしゃれじゃない人は元々そのお店を知らないので驚きようがない)。

イベントのときに人がいっぱい来るというのから、毎月継続的におしゃれな人がうろうろするというのへはめちゃくちゃ大きい前進だと思うが、さらに、毎日目立つところにおしゃれな店があるというのへ。
東京にいても、雑誌とかウェブとかいろいろなところでサンビルのことを見かける。

その当日スタッフを毎月募集していることに、数か月前に気付いた。岐阜で、何かをつくる側のスタッフを公募しているという状況は少ない。岐阜で参加できる頻度が少なくても可能なものとなればさらに少ない。私はなかなか自分で何かを始められなくて、岐阜にいて楽市JAZZ楽団以外では客でしかいられない、見られていない状況がほとんどだ。寂しくもあった。当日スタッフ、やってみたいと思った。
しかしサンビル当日に一日中岐阜にいてフリー、というスケジュールがなかなかなく、やっと楽市の練習に合わせて岐阜に帰って参加できる日を見つけた。

力仕事に自信がなくても、できた

820分に集合。すでに早く来た皆様が倉庫から何か運んでいる。
柳ケ瀬でツバメヤとか松ノ屋とかほかにもおいしいお店を営み、そして柳ケ瀬を楽しいまちにする株式会社の社長、岐阜柳ケ瀬商店街振興組合連合会副理事長である岡田さや加さんが、あ、市役所の、と気付いてくださる。覚えていてくださってありがたい。
ミーティング。自己紹介。当日スタッフは男子が一人でほとんどが女子だった。多大な力を必要とする力仕事が多いわけではなさそうで密かに安心する。何度も来ているという方も多い。学生さんや若い方が多いが、大人の方がいらっしゃったことにも安心した。

仕事の割り振りをされて、私は本通りへ。台車を使って倉庫からいすとテーブルを運ぶ。お店で買ったものを食べられる場所だ。他の当日スタッフは看板を運んでたりする。もうお店の設営を始めている方もいる。
終わると今日の地図を看板に設置できるサイズに折る作業。

柳ヶ瀬を、ぐるぐる

それが終わると、出店者の多くが準備をしている時間に。巡回して、困っている方がいたら対応する。
首から下げているのは実行委員会メンバーの方と同じ「STAFF」証。心が引き締まる。

11時からしか販売できないことになっているようだが、人気の数店にはこの時間からお客さんが並んでいる。主に食べ物の店だ。列の整理も私たちの役割。先輩スタッフが長い列の横についていた。お客さんも指示があればスムーズに動き、列を乱すこともなく時間を待つ方ばかり。

そのうち11時に。引き続き巡回し、看板に設置している地図がなくなったら補充する。
ぐるぐる回っていたが、特に困っている人を見つけられず、とりあえず出店者さんや柳ケ瀬のお店の方と目があったら挨拶をしつつ、ゴミを拾いながら歩いていた。
昼食はタイミングを見て各自で。


ずーっと柳ケ瀬をぐるぐる歩いているといろいろ気付いた。
サンビルの出店者さんだけでなく、柳ケ瀬のお店の方も、店の前にワゴンを出したりして、食べ物や店の商品を売っているところがいくつもある。何日かに一回しか開けない店も空いている。ランチの看板も、こんなに柳ケ瀬にランチのお店があったっけ?と思うほどあちこちにある。
お客さんからすれば、例えばお昼ご飯の食べ物を選ぶのに、サンビルの出店者なのか柳ケ瀬のお店なのかということはあまり関係ない。ものと値段で決める。そうなると、サンビルの出店者の品と柳ケ瀬のお店の品は結構いい勝負をしている。サンビル出店者の食べ物の多くはおしゃれで珍しい。柳ケ瀬のお店の品の多くは素朴だが、出来たてで安い。また暖かい店内でのランチで休憩するというのも魅力的だ。

柳ケ瀬のお店もサンビルの日にいろいろと出してみえるんですね、と本部に戻ったときに大前貴裕さんに話すと、「増えました。今年に入ってからくらいかな」と答えてくださった。
大前さんは株式会社ミユキデザインの取締役、一級建築士で、柳ケ瀬を楽しいまちにする株式会社取締役でもある。以前は岐阜市にぎわいまち公社の、岐阜市商店街活性化プロデューサーを務めていらっしゃって、前職で大変お世話になり、美殿町の「まちでつくるビル」の取材をさせていただいた。その後もなんのかんのと。
お話をお聞きしていると、最初は商店主さんたちとのやりとりに大変なこともあったようだけれど、今はかなり改善されたようだ。
それには4年以上継続してきたから、というのも大きいだろう。明るく挨拶をしながら、言われたことに対応しながら。そして、月に1日だけれど毎月、人通りが増えて自分の店の商売にもなる日だ、ということが伝わるようになってきたのだろう。

本部にいると時々、自分も出店したい、という方がやってくる。出店方法の書かれたウェブサイトをご案内するように教わる。外国の方がやってきて、毎月定員を大幅に超える応募があると知り「どうやって選んでいるのか」と尋ねると、大前さんは「ナイスプロダクト」だと答えていた。
その後、大前さんが巡回しているのを目にする。出店者の方と仲良くお話しされていた。そうやって出店者との関係をつくっていくことも、サンビルを素敵なイベントにしていくために大切なことなのだろう。

終了時間の4時が近づくと片付けの準備が始まり、4時を過ぎると片付けにかかる。看板を撤去。テーブルと椅子も撤去。ベンチを元の場所に戻す。脚立を使って、頭の上にかかっていたフラッグを外す。道に貼られた区画テープのはがし残しがないか確認。
最後に集まって挨拶。交通費と昼食代をいただき、ありがたいながらも、潤沢とは言えない予算を割いてくださっていることに申し訳ない気分になる。

打ち上げの刺激、微かな一歩。

打ち上げ行く人、と声をかけていただいたので行ってみることに。
場所は柳ケ瀬でも指折りのお値打ちでおいしい居酒屋、菊川酒造さん。前職の新人時代に先輩に連れられて行って以来だ。
成り行き上、当日スタッフの学生さんと20代前半の女子たちに囲まれた席に。会話が若い。学校の話とかバイトの話とかに同じレベルで混ざれるのは猛烈に刺激的。「学校とバイトと家とか、仕事と家とか、そういうのだけで終わりたくない。サンビルはすごく楽しいし、他にもいろいろやっているよ」という女子の言葉が印象的だった。先輩スタッフの女子がため口で話しかけてくれたのも感動的だった。何歳に見てくれたのだろう。

飲み会には柳ケ瀬商店街組合連合会の林会長さんや、柳ヶ瀬のお店の方もいらっしゃっていた。飲み会の最後に名刺を交換している方もいたが、私は自分の名刺を取り出せなかった。勇気が出せなかった。いつかこのブログで取材させていただけたらいいな、なんて気持ちもあったから、なおさら言えなかった。
とはいえ当日スタッフの何人かとはFacebookお友達にならせてもらえたのだが。

そんな調子なので、サンビルをつくる側としてちゃんと力になること、このブログで取材させていただくことなんかはまだまだ先になりそうだ。次に当日スタッフに参加できるのもいつになるかわからない。1月の開催日はぎふジャズフェスティバルの日だし。
でも、また参加してみたい。牛歩でも、これからもここでも自分のできることを探していければと思う。
とりあえず、サンビルの当日スタッフに興味がある方、楽しいし、男子にしかできないような力仕事もないし、挑戦してみてはいかがでしょうか?

この日の当日スタッフの方の一人が所属する研究室でこんなイベントを開催されるそうです。

おすすめポイントは、自分の彫ったレンガが柳ケ瀬にずっと残ることだと教えていただきました。
お申し込みはこちらから。主催する岐阜大学工学部社会基盤工学科都市・景観研究室の岐阜大学美殿町ラボFacebookページにも情報が掲載されています。

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