関係人口の意味。green drinks Tokyo「根っこのある生きかたを、仲間とつくる」 Co-presented by 郡上カンパニー。

9月に行った郡上の、東京でのイベントに行ってきた。

green drinks Tokyo「根っこのある生きかたを、仲間とつくる」 Co-presented by 郡上カンパニー
日時:2018年12月4日(火)19:00~21:30
会場:SHIBAURA HOUSE(東京都港区芝浦3-15-4)
ゲスト:
西塔大海(さいとうもとみ) 「西塔企画」代表、慶應大学SFC研究所上席研究員
木村聖子(きむらせいこ) 郡上八幡ゲストハウスまちやど オーナー
平野彰秀(ひらのあきひで) 郡上カンパニーディレクター、NPO法人地域再生機構副理事長、NPO法人HUB GUJO理事
司会:
植原正太郎(うえはらしょうたろう) NPO法人グリーンズ/greenz.jp事業統括理事

green drinks Tokyoとは、ウェブマガジンgreenz.jpの運営などを行うNPO法人グリーンズが開催している、アイデアとアイデアをつなぐ対話の場で、今回は郡上カンパニー事務局(一般社団法人郡上・ふるさと定住機構)との共催。

郡上カンパニー」とは「岐阜県郡上市を舞台に、郡上らしい挑戦を生み出すための共同体」。
地域の人数人が「プロジェクトパートナー」として、自分のやりたいと思っていることを、都市部から移住する「ベンチャーパートナー」と共同創業して行う。今回はこのベンチャーパートナーの募集説明会でもある。
地域おこし協力隊の枠組みを使っているようで、郡上市からの業務委託として最大3年間、月20万円の報償費が支給される。ベーシックインカムがあるということだ。

募集の前に、関係人口の土壌をつくる

この日のトークセッションの中での、西塔さんによる地方移住と起業支援に関する分析が興味深かった。
この50年くらいの移住の流れがあり、東日本大震災後のパニック移住を経て、2013年ごろから「可能性を試し、挑戦する場としてのローカル」を考えて移住する潮流があるという。
そして、「起業型」の地域おこし協力隊にもいくつかの型があるとのこと。
Next Commons Lab」は、プロジェクトのもとに起業家を募集する。
Local Venture Lab」は、起業家自身が自分のやりたいことを持ち込み、ラボを通してブラッシュアップさせて地域にプレゼンする。
どちらも、いくつもの地域が対象になっている。

その他に、それぞれの市町村の独自型があり、郡上カンパニーもその一つなのだそうだ。
例えば宮城県丸森町の「まるまるまるもり」プロジェクトなどもこの独自型に分類されると考えられる。

さらに郡上の特徴として次のような話をしていた。
・地元のパートナーとの共同創業となる。一人でゼロから始めるよりもやりやすい。
・地域に、挑戦している多世代の人がいる。挑戦の風土がある。
・サポート体制が充実。プロジェクトパートナーがマンツーマンで伴走者となる。事務局もサポート。

確かに、地元のパートナーとの共同創業という形は他に聞いたことがない。

さらに言えば、郡上カンパニーではこの共同創業者の募集に先立ち「地域アイデア会議」「共創ワークショップ」を行っている。地域の人が事業のアイデアを出し、それを都会からの参加者とともにブラッシュアップしていくのだ。この日も、このワークショップの参加者が参加していた。

それはこの共同創業者を探し、育てることにもなるかもしれない。でもそれだけではない。
移住につながらなくても、そうやってアイデアが形になれば、郡上に新しい風が吹いて、新しい事業が生まれて、新しい経済活動や雇用が生まれるかもしれない。

そしてこれはまさに「関係人口」を増やすことである。郡上カンパニーの仕組みによって、関係人口の増えるメリットがはっきり伝わるようになっている気もする。
この日登壇された皆さんからは「移住とまで言わなくても、遊びに来てください」という言葉が繰り返し聞かれた。関係人口の増える利点を感じていらっしゃるのだろう。
地域おこし協力隊の起業支援をします、というだけじゃ、なかなかうまくいかないのだろうと思う。地道に関係人口を増やすことで、ここでやってみたいという人が現れる。

木村さんは「地域のニーズで空き家活用。八百屋つき下宿プロジェクト」のプロジェクトパートナーだ。西塔さんはこの八百屋つき下宿について「関係案内所」にもなるのではないかと指摘していた。観光でも移住でもない人を案内できるのではないかと。
木村さんははゲストハウスまちやどを開業して「リビングを開放します」といっても、なかなか地域の人には来てもらえなかったと話していた。


ゲストハウスまちやど。素敵な宿でした!

だから今回開業する、空き家を活用したシェアハウスでは、近くのスーパーがなくなって地域の人が必要としている八百屋も併設するとのこと。
惣菜も売っている八百屋なら、確かに一見さんでも入りやすそうだ。
しかしシェアビレッジ町村さんでお話を聞いていて思ったことだが、関係案内所の難しいところは、どんな人でも案内してしまうと案内された地元の人に迷惑がかかりかねないことなのだろうと思う。このことはまたおいおい考えるということで。

イメージとリアルイベントで、
関わりの階段を上ってもらう

トークセッションの後は登壇者や、それ以外にもこの日来ていたプロジェクトパートナーの方の周りに集まり、少人数で話す時間に。
私は「もうひとつの帰る場所。おかえりツアー開発プロジェクト」の由留木正之さんや、「持続可能な秘境をつくる!明宝小川プロジェクト」の西脇洋恵さんとお話しさせていただく。
由留木さんはこの日の登壇者である平野さんらの移住に影響を与えた方でもあるらしい。
他の参加者の方が、自分のやりたいことや、地方の教育環境について質問されていた。平野さんが郡上の移住第1,2,3世代というお話をされていたが、確かに第1世代とこれから移住する人たちでは、考えていることにも少し違いがあるのかもしれないと、お話しをしていて思った。(そもそもお子さんの年代が10歳以上違うから違うのも当たり前だ。)しかし郡上カンパニーの場合は、事務局の方など、そのギャップに自覚的でそれを埋めてつなげようとする方がいろいろと存在する気がする。

そして小川という地名に心揺さぶられた。旧明宝村(もっと前は明方村といった)の小川地区には私の友達の祖母の家があって、中学生のころ、友達と何泊も遊びに行かせてもらった。もう中学生だったので野山を走り回ったりはしなかったが、いただいたとうもろこしやうりがおいしくて、他の野菜も何でもおいしくて、おはぎもおいしくて、おばあちゃんも優しくて、ただただいい思いをさせてもらった場所だった。
そんなことを少し西脇さんにお話しすると、その友達のお父さんのことをしっかりご存じだった。縁のつながり方に驚く。友達のお父さんの名前を覚えていた自分にも驚く。
西脇さんが営むのは「民宿 上出屋」。行ってみたい場所が増えた。西脇さんは明宝でNPO法人ななしんぼの理事長もされているらしい。

実は昨年、第1期の説明会にも参加した。それがこの夏に郡上に行くきっかけにもなった。第1期のベンチャーパートナーとなった方が郡上で活躍されている様子についてのお話もあった。

グリーンズさんと組んで、興味を持ってもらえそうな人に郡上の情報を継続的に届けて、イベントも行って、ブランドイメージをつくりながら関係人口を増やしていく。そして、遊びに来て、ワークショップに継続的に参加して、と、関わりの階段を上がっていくイメージが、よく見えるように提示されている。
移住を含めたまちづくりの、現在の一つのものすごい形、なのだろうと思う。

自分も郡上に行きたい場所がまたできて、こうやって関係人口になっていくんだろうかと、思う。

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