多分、関係人口の芽でもある。市長とふるさと岐阜市活躍人財 オンライン意見交換会。

私は、何をやっているのだろう、と会が終わって思った。

昨年12月23日、「市長とふるさと岐阜市活躍人財 オンライン意見交換会」に参加した。
ふるさと岐阜市活躍人財とは、こちらに詳しい。

岐阜市では「岐阜市ゆかりの方が活躍できるまち」「副業・兼業に優しいまち岐阜市」を目指し、三大都市圏在住の岐阜市にゆかりがあり、副業・兼業が可能な方に本市の事業で活躍いただくため、昨年度より「ふるさと岐阜市活躍人財バンク」の運用を開始しています。

昨年度に登録したが、これまで仕事としてお呼びがかかったことはない。
昨年度は永田町で同じ趣旨の集まりがあったが、仕事や他の予定で出られなかった。今年はZoomでの開催で、子どもと一緒でも大丈夫とのことだったので参加が叶った。平日の昼間だから、育休中でなければ参加できなかっただろう。

立派なことは言えないけれど。

話のテーマは「持続可能な岐阜市を実現するために(市外からみた岐阜市の魅力等)」「応募にあたっての思い(得意な分野や今後岐阜市で活躍してみたい場面等)」。話せる時間は一人4分。会の3日前くらいになって、話したいことが全然まとまっていないことに気付き、簡単にパワーポイントの資料を作った。
前日にいただいた参加者名簿を見ると、13人の参加者の「勤務先」の欄にずらりと並ぶ大企業の名前。もしくはご自身の会社の名前(「勤務先」じゃないけれど)。それらに混じって私の勤める零細企業の名前。

当日、Zoomで接続すると、私の新人時代にお世話になった方が企画部長として映っていた。全然知らなかったので驚く。
会が始まり、事前に決められた順番で参加者の発言が始まる。するとテーマにかかわらず、皆様ばんばん市への提言をしていく。そういう感じなのか。

そして私が話す番に。画面共有をしようとしたらうまく作動しない。昨日練習しておいたのに。何故。沈黙の時間にとても焦る。何とか別のやり方を見つけて話し始めたが、頭がうまく回らなくて、話すべきことをいくつかすっ飛ばす。

他の皆様は大局的な視点からの提言をされる方が多かったが、私が話したのはとても局所的なことと、テーマにあった、市外から見た岐阜市の魅力。OPEN SPACE LABO岐阜市民ジャズビッグバンド 楽市JAZZ楽団などについて話した。
後からコメントしてくださった柴橋正直岐阜市長は、OPEN SPACE LABOが自分の力を入れている政策だったり、計画が進行中のことだったりするからか、何だか嬉しそうだった。(計画が進行中なのは知っていたけれど言えていなかった。)
市長は私が言い忘れた、子連れ参加のこともフォローしてくださった。拙いプレゼン資料も読んでくださったようで、コメントで拾ってくださった。

会が終わって、何をやっているんだろう私、と思う。
他の皆様みたいな立派なことを全然言えなかった。終わってミーティングを退出したら、また息子を追いかけ回す一日。他の皆様との間には埋めがたい差があるような気がしてきた。

こういう場で発言に説得力を持たせるには、自分はこれまでこんなことをしてきて、こういうことのプロで、だからこう思うという説明が必要だったのだろう。それがうまくできなかったから、発言がふわっとしてしまった。

しばらく仕事をしていなかったせいもあってか、こんな風に、うまくいかなかった、と落ち込む感じを味わうのは久しぶりだった。

ただ、とも思った。
どれだけ小さいことでも、これまで私は市に対して思うことを言うだけじゃなくて、自ら活動したり執筆したりするようにしてきたつもりだ。全然うまく言えなかったけれど、それに基づく局所的な話だった。
批判だけして何もしない人の存在が現場の人にとってどういうものか、自分も市役所時代に感じてきた。もちろん今回の参加者の方々には、言いたいことを言いっぱなしというような感じの方はいらっしゃらなかったけれど。これからも、どれだけ力不足でも、自分がやるというのを忘れないようにしたい、と思った。

そう言えば、他の参加者の方の中にも自ら動いている方がいらっしゃった。月2~3回岐阜を訪れて、まちなか案内人として活動しているとのこと。すごい。提言も、そこで案内した外国人の方から聞いたことを踏まえてのものだった。説得力が強い。

人財との豊かなつながりは、関係人口の育成にもなる。

こういう場で、すぐに役立つような意見を言うのは本当に難しいと思う。一つの意見だけで市が変わるなんて、なかなか思えない。
でも、参加された方がみんな岐阜市が好きで、岐阜市を応援したいという気持ちをお持ちだったのは間違いないように感じた。そういう形で岐阜市の応援団がいること、何かあれば協力してもらえるということが大切なのかもしれない。

そういう人たちのコミュニティを形成できるといいのだろうと、会が終わって思う。
会では何人かの参加者から、何かあれば職員の方から自分たちにLINE等で気軽に連絡してほしいという話があった。でもそれだけでなく、応援団の人同士が横につながったら、お互いにコラボして岐阜市を応援できるような、自主的な動きが出やすくなるのかもしれない。

私は自分の話の中で関係人口という言葉を出したが、会では他にこの言葉を聞かなかった。でもこのふるさと岐阜市活躍人財というのは、人材に活躍の場を与えるだけでなく、市をさまざまな形で支えることのできる多様な人とつながる、関係人口の育成としての側面もとても重要なのだろうと思う。
未来に向けて、今は市外に住む人とどんな豊かなつながりをつくっていくか。やり方次第で、この先まだまだ、可能性を秘めた制度だと思う。

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