なにより、楽しいから。ISHIFES2020。

ISHIFES2020が終わった。

ISHIFESとは。説明するのは難しい。検索すると、「2015年から毎年11月14日に開催している岐阜の奇祭」「石田意志雄による人生の新しい楽しみ方を提案するイベント」などと説明されている。漫画家・石田意志雄先生には、このブログで最初のインタビューにご協力いただいた。

今、僕は本当に楽しい。2人の息子の父である漫画家・石田意志雄先生が会社を辞め、出会った「自分の人生」(前編)

昨年まではライフスタイルショップ「長月」をメイン会場として、意志雄先生の著書やグッズ等の販売のほか、飲食などさまざまなブースが出店されていた。ライブが行われた年もある。昨年は東京・上野の「岐阜ホール」との2か所同時開催となった。しかし今年はコロナ禍の状況を鑑み、メイン会場「古民家スペース&カフェバー 空と月」に出店者が集まるのではなく、出店者がそれぞれの店舗でコラボ商品等を販売し、意志雄先生が店舗を回りながらインスタライブ中継を行うというスタイルになった。

私は昨年初めて岐阜ホール会場に行くことができた。日付固定のため平日に行われる年が多く、参加には少々ハードルがある。しかしそれを乗り越えて会場に集う人たちの間には、独特の高揚感があった。もう当分参加できないだろうと思っていたが、思いがけず今年もオンラインで参加できることになった。

当日、朝からさりげなくISHIFES2020Tシャツを着ておく。とはいえ息子とばたばたしていると、そんなにたくさん中継を見られたわけではなかった。息子のそばで中継画面をつけておくと、不意に突進して携帯を舐める。それでもどうにか「cafe旅人の木」さんでのコーヒー対決あたりはまとまって見られた。

 

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ISHIFES2020《公式》(@ishifes1114)がシェアした投稿

あとは夫が息子を見ている間に洗濯物を干しながら、食事を作りながら少しずつ。時折、音を消して盗み見たり。

中継終了後すぐに動画がIGTVにアップされていたので、後から見たりもした。しかしコメントなどは中継中にしか見られない。開くと、次々に意志雄先生への突っ込みのコメントが流れてきた。盛り上がっている、としか言いようがなかった。私が見た時には30〜40人ほどが中継を見ていた。

夜8時ごろ、意志雄先生は「空と月」にゴール。そこには多くの人が待っていた。今回の出店者もいれば、意志雄先生のファンも、息子さんの関係のお知り合いも。意志雄先生が愛されていることがよくわかる図だった。

 

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喫茶 星時さんがISHIFES2020CM動画の中で、参加したきっかけを「知り合いがたくさん参加していて、楽しそうだなと思って」というような感じで話していた。
そう思っているのはきっと星時さんだけではないだろう。クラウドファンディングの時も、出店権のリターンはすぐに満席になっていたような。
「楽しそう」と人が集まってくるって、いいなと思う。「儲かるから」でも「社会に貢献できるから」でも「あの人がやるなら協力しなきゃ」でもない。もちろん、ISHIFESを通じてお店のPRはできるようになっているし、いろいろなことを考慮した上での出店なのだと思う。それでも、少々のことを超えても参加したくなってしまうようなパワーが「楽しそう」にはある気がする。

出店者だけではない。「ISHIFES実行委員会」のスタッフである長月のお二人もまた、きっと。そして、Twitterを見ていると、コラボ商品をゲットした! という人だけでなく、ISHIFES参加の数店舗を回ったという人、「cafe旅人の木」でコーヒーのテイスティングに参加した後「空と月」へ移動してゴールを見届けたという人もいた。そういう人の動機もやはり「楽しそう」なのではないかと思う。意志雄先生は誰にでも優しく温かいから、初対面でも、愛が先走って挙動不審になったとしても、受け入れてもらえそうな安心感がある。

Twitterには、会場で「知らない人とISHIFESの話をした」という投稿があった。空と月さんは「今まで来たことのなかったようなお客様にも来てもらえた」とおっしゃっていた。ISHIFESが共通の嗜好を持つ人を呼び集め、今後に続く温かいつながりを作っていく。

なぜ、こんなに愛されるのか。なぜ、そんなに楽しそうに見えるのか。
意志雄先生にインタビューのお願いをしたとき、メールのレスポンスの早さに驚いた。インタビューで自分はまじめだとお話しされるのを聞いて、納得した。勤めていた会社でも、たくさんの仕事を回されていたというのはきっと、意志雄先生が仕事ができる人だったからなのだろう。

ISHIFES2020のクラウドファンディングは6月にスタートしている。計画的に一つ一つ準備を進め、各所と打ち合わせをして、段取りを整えていく。トラブルにも誠実に対応する。まじめで約束を守れる、誰かを傷つけないような目配りができる、そして仕事ができる、そんな意志雄先生だからこそ、安心してISHIFESに参加できるし、心配なく楽しめるのだろう。

もちろんそれだけではない。オンライン中継の企画は一つ一つ、自然なもののように見えて、実はエンターテイメントとして練られていて面白かった。きっとYouTubeの呼吸をよくわかっていらっしゃるのだ。お子さんがYouTubeが好きだとお聞きしたから、おそらくそういう中でたくさんの動画を見て、自然と研究されてきたのではないかと思う。でも、研究したことを自身で表現するというのは、並の人ではできない。
36本のISHIFES2020CM動画も、凄いクオリティだった。意志雄先生は「編集に使っているアプリがいいから」と謙遜していたが、人やお店などを動画の面白さを使ってPRすることができる人なのだ。今後は動画編集のお仕事もされるのでは、と思ってしまった。

現地には行けなかったけれど、オンラインを通じて、今年もISHIFESに参加することができた。現地にいたらもっと違うものが見えたかもしれない。でもどうしても行けない今、リアルタイムで触れる手段があるのがありがたい。
自分も「楽しそうだから」と吸い寄せられた一人なのだと思う。いつかまた現地で参加して、いつか機会があったら息子の顔を描いてもらえたらいいな。大げさに言えば、来年もISHIFESがあるならそれまで頑張って生きてみよう、と思う人がいたっておかしくはないのだ。

ISHIFES2020 Instagram

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